生産者の情熱
福島県富岡町は、2011年の東日本大震災及び原子力災害によって一時は全町避難となり土地を追われました。
避難指示により土壌は長く休耕状態が続き、同時に福島県産農産物に対する風評被害も未だ残る中で、農地を守り、農業を再生させるその一途な思いで、町内の農家は試験栽培・実証栽培を実施。避難先から何度も足を運び、震災から7年後の2018年にようやく通常の水稲作付けが慣行出来るようになりました。
ツツジが描く、つぎの春
萌の躑躅(きざしのつつじ)は、富岡町の花である「ツツジ」をモチーフにした、瓶内発酵のスパークリング(発泡性)の日本酒です。
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故により、帰還困難区域に設定された夜ノ森駅は9年間、許可なく立ち入ることができませんでした。
「夜ノ森のツツジは本当にきれいだったんだよ」
「あの夜ノ森のツツジを復活させたい」
そんな富岡町民の思いを、「ツツジ復活のきざし」「富岡町の春(復興)のきざし」とかけて、お酒を「萌の躑躅(きざしのつつじ)」と名付けました。
その魂、不屈
純米大吟醸「富岡魂」は、富岡町で丹精込めて育てられた福島県推奨酒米「福乃香」を100パーセント使用した日本酒です。
代々受け継がれてきた農地を守り、様々な困難や風評被害にも負けずに農業を再開した農家の不屈の精神を「富岡魂」と呼んできました。それぞれの身体に宿る「富岡魂」に火を灯し、諦めずに前に進んできたのです。
そんな農家の皆さんへの尊敬と敬意を表し、魂を込めて作られた富岡の新たな酒米で醸造する日本酒を「富岡魂」と命名しました。